手話パフォーマンス甲子園本番直前 取材

10月1日(日)全国高校生手話パフォーマンス甲子園の本番直前には日本海テレビとNHKの取材をうけました。日本海テレビは田渕くんを、NHKは岩谷さんの頑張りを取り上げてくださいました。11名が挑んだこの大会にはそれぞれの自分の課題達成や目標など個々の物語がありますが今回はこの2名をクローズアップします。

 

田渕君は、おとなしく自分に自信が持てない男の子が応援団に入って成長していく物語の主人公役。実生活でも入学当初は本人のコメント通り、なかなか自己主張ができませんでした。それがボランティア部の活動や人前で表現する手話パフォーマンスを通してどんどん逞しくなっていきました。今回の演目では自分の成長物語をオーバーラップし、演目の練習にも気合が入ります。

 

岩谷さんは1年生から毎週校外の手話講座にも通い続けるなど、本格的に手話の学習を続けています。頼れる存在の岩谷さんには毎年パフォーマンスで重要なテーマとなる台詞を任せてきました。今回は3年間の集大成として、演目の中心、応援団の団長役を任せました。毎週頑張る誰かを応援し続けてきたボランティア活動と勉強し続けた手話が一度に表現できるこの演目です。こちらもかなり気合が入っています。

 

10月1日(日)に行われた全国高校生手話パフォーマンス甲子園ですが、この期間は本校の中間考査の真っ只中、テスト発表からも休みなしで練習に励み、9月28日(木)~10月2日(月)考査中も9月30日(土)のリハーサル・交流会、1日(日)の本番でした。

これは考査中、28日(木)のひとコマです。午前中に考査が終わり、13時からの練習のため、お弁当を食べておくように指示し、部室に行ったところ、全員が真剣に勉強に取り組んでいました。こちらが圧倒されるくらいの集中力でした。

ボランティア部員にいつも言っていることがあります。

「自分に余裕がなければ他人を応援することはできないということ。」

「何かができないことを何かのせいにしないこと。」

今回はじっくりとした勉強時間がとれないので「まあ、今回は仕方ないな、日頃の成果だな」と言ってしまっていた顧問をよそに、空き時間みんなで考査にも真摯に挑み、勉強不足を手話パフォーマンスのせいにしないというみんなの気持ちが伝わってきて、顧問として「やられた~」といううれしい思いでした。

こんな何事にも全力で頑張るボランティア部員だからこそ、頑張る他者を全力で応援することができるんだなぁとも感心しました。頑張ることの大切さをわかっているこの子たちを誇りに思えた瞬間でした。